雑誌掲載『いつでも元気』:地域のジェンダー規範とメンタルヘルス

地域のジェンダー規範の保守性とメンタルヘルス(うつや自殺念慮)の関係を示した論文 “Community gender norms, mental health and suicide ideation and attempts among older Japanese adults: a cross-sectional study”の内容が、雑誌『いつでも元気』2024年8月号の「けんこう教室」に掲載されました。

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論文出版:糖尿病患者における厳格な血糖・血圧管理の効果が、居住形態によって異なることが明らかに(医学生 清原)

清原貫太 医学部学生、井上浩輔 白眉センター/医学研究科准教授、近藤尚己 医学研究科教授、石見拓 同教授らの研究グループは、大規模ランダム化比較試験のデータを用いて、糖尿病患者における厳格な血糖・血圧管理の治療効果が居住形態によって異なることを明らかにしました。本研究結果では、他者と暮らす患者は、標準治療を行った場合と比較して厳格な血糖・血圧管理を行った場合のCVD発症リスクが0.65倍であった一方で、独居患者では、厳格な治療と標準治療の間でCVD発症リスクに違いが認められませんでした。

詳細はプレスリリースをご覧ください。

【論文情報】
Kiyohara K., Kondo N., Iwami T., Yano Y., Nishiyama A., Node K., et al. Heterogeneous Effects of Intensive Glycemic and Blood Pressure Control on Cardiovascular Events Among Diabetes Patients by Living Arrangements. J Am Heart Assoc. 2024 Jul 2; 13(13): e033860

DOI:https://doi.org/10.1161/JAHA.123.033860

 

お知らせ:大阪ええまちプロジェクト 大交流会 基調講演レポート公開(教授 近藤)

教授の近藤が、2024年2月16日 ドーンセンター(大阪府立男女共同参画・青少年センター)にて開催された「大阪ええまちプロジェクト」大交流会で基調講演をした様子が、レポートとして公開されました。

対面・オンライン合わせて150名以上ご参加のもと、社会疫学や公衆衛生の観点から、誰もが健やかに暮らし続けるための地域づくりについて講演しました。

タイトル:「社会疫学」から見る 地域のつながり 支え合い

講演のレポートはこちらから

新聞掲載:「地域のジェンダー規範が保守的と感じる高齢者は、うつ症状・自殺念慮・自殺未遂歴が約2倍多い(日本老年学的評価研究)」2024年1-3月

論文 “Community gender norms, mental health and suicide ideation and attempts among older Japanese adults: a cross-sectional study”の内容が福福島民友・下野新聞・日本海新聞・中国新聞・徳島新聞・秋田魁新報・沖縄タイムス・佐賀新聞・山陰中央新報・高知新聞・福島民報・東京新聞夕刊・千葉日報・京都新聞朝刊・愛媛新聞・南日本新聞・琉球新報・岩手日報・岐阜新聞・長崎新聞・新潟日報・福井新聞・山梨日日新聞で紹介されました。

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季節のイベント♪

当社会疫学教室では、学生や教員が定期的に季節を楽しむイベントを有志で開催しています。留学生や海外からの客員研究員とともに、古都京都ならではのイベントを楽しむ機会を持っています。写真はその一部です。随時更新していきます♪

新聞掲載:「『うつ』のリスク、仮設住宅で3.8倍 集団移転などで軽減(日本老年学的評価研究)」2024年3月

論文 “Does disaster-related relocation impact mental health via changes in group participation among older adults? Causal mediation analysis of a pre-post disaster study of the 2016 Kumamoto earthquake”の内容が福祉新聞web版で紹介されました。

記事はこちらから。

ニュース:京大SPH2023年度High Impact Factor Journal PapersのTOPトップ5に選出(准教授: 井上、助教: 佐藤)

井上浩輔准教授と佐藤豪竜助教が2021年から2023年にかけて投稿した論文は、高いインパクトファクターのジャーナルに掲載され、京都大学SPHの教員トップ5に選ばれました。
当研究室から二人の教員が選出されたことは素晴らしい実績であり、二人の貢献は本研究室や研究科を超えて、日本の社会疫学・公衆衛生学のさらなる発展を先導することが期待されます。

選考方法や他の受賞者などの詳細は、下記の京都大学SPHのHPからご確認ください。
2023年度ハイ・インパクト・ペーパーズ決定! | 京都大学 大学院医学研究科 社会健康医学系専攻 (kyoto-u.ac.jp)

論文出版:所得と腎機能低下の関連 ―急な腎機能低下や人工透析の格差が1.7倍(博士課程 石村)

博士課程の石村らは、所得と腎機能低下に関する論文を発表しました。
全国健康保険協会の被保険者のデータ(約560万人分)を分析した結果、月収が最も低いグループ(平均月収136,451円)は最も高いグループ(平均月収825,236円)と比べて、急な腎機能低下や腎代替療法(透析・腎移植)開始のリスクが1.7倍高いことが明らかになりました。
本研究は、米国医師会が刊行する医療政策分野のトップジャーナルである「JAMA Health Forum」に掲載されました。

論文:Ishimura N, Inoue K, Maruyama S, Nakamura S, Kondo N. Income Level and Impaired Kidney Function Among Working Adults in Japan. JAMA Health Forum. 2024;5(3):e235445.
DOIリンク:https://doi.org/10.1001/jamahealthforum.2023.5445

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こちらの内容は、2024年4月9日毎日新聞で紹介されました。

論文出版:仮設住宅への転居でうつリスク3.8倍、ただし転居に際してグループ活動への関わり方が変化した人はそのうつリスクが4割減(客員研究員 松岡)

千葉大学予防医学センター 松岡洋子と当研究室近藤尚己教授らの研究グループは、2016年熊本地震で被災した高齢者を対象に、震災後の転居が精神的健康に与える効果と、その効果を説明する要因について分析を行いました。

震災後の転居は精神的健康悪化のリスク要因とされていますが、メカニズムについては明らかにされていません。そこで、住宅形態別に転居が精神的健康に与える効果と、その効果はどのような要因で説明されるかについて分析を行いました。震災前の2013年度調査に参加し、2016年4月熊本地震の被災地となった熊本県御船町で、7ヶ月後の2016年調査に参加した65歳以上の高齢者828名を対象としました。グループ活動への参加状況に注目したところ、震災前後で変化がなかった人は仮設住宅への転居によるうつリスクが3.8倍でしたが、そのリスクがグループ参加に変化があった人では4割軽減されていました。熊本地震後、仮設住宅では過去の大震災の教訓を踏まえた集団転居政策や集会所の近接設置、支え合いセンターによる訪問活動などが展開されていました。そこでは住民が従来のグループ活動への関わり方を変化させ、つながりを最適化できたことで、転居ストレスの軽減につながった可能性が示唆されました。

本研究成果は、「BMC Public Health」にて、2023年10月11日にオンライン公開されました。

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【論文情報】

Yoko Matsuoka, Maho Haseda, Mariko Kanamori, Koryu Sato, Airi Amemiya, Toshiyuki Ojima, Daisuke Takagi, Masamichi Hanazato & Naoki Kondo. Does disaster-related relocation impact mental health via changes in group participation among older adults? Causal mediation analysis of a pre-post disaster study of the 2016 Kumamoto earthquake. BMC Public Health 23, 1982 (2023).

DOI: https://doi.org/10.1186/s12889-023-16877-0