「保健・医療・介護・福祉分野における社会的インパクト評価研究講座」設置検討について
国内外で社会的インパクト投資や産官学民連携によるコレクティブ・インパクトへの関心が高まっております。
インパクト投資に関する世界的なネットワークであるGIIN のレポートによると、インパクト投資の世界全体での市場規模は、2020年のデータでは4,040億ドルで、国内でも一般財団法人社会変革推進財団(SIIF)/GSG国内諮問委員会事務局(2021)「日本におけるインパクト投資残高(推計)の推移 」によれば、2021年度13,204億円と、2017年度の718億円から5年間で18倍以上に増加しています。内閣府も、「社会課題の解決における成果最大化に向けた協働の海外事例調査」で「コレクティブ・インパクト」の海外事例を収集し、成果連動型民間委託契約方式(PFS:Pay For Success)の推進に向けてPFSアクションプラン(令和5~7年度)を公表するなど政府の積極的な関与も見受けられるようになりました。
社会的インパクトでも、コレクティブ・インパクトでも評価が重要とされ、内閣府も「社会的インパクト評価について」情報収集を進めている。わが国では、社会的インパクト評価研究の蓄積が遅れており、上述の「 海外事例調査報告書概要版」(内閣府)は「データの捕捉・共有と、データに基づく取組の改善が重要であり、そのために研究者が関与することも有効であると考えております。
そこで、上記「PFSアクションプラン」の分野別取り組みの筆頭に掲げられている保健医療、介護、そして福祉の分野におけるPFSや社会的インパクト投資の推進に必要な評価研究の蓄積を図るため、京都大学大学院医学研究科に寄附講座「保健・医療・介護・福祉分野における社会的インパクト評価研究講座」の設置の検討を開始いたしました。
本講座設置あたり、株式会社ドリームインキュベータ(以下、DI)が事務局となり、寄附の取りまとめ及び京都大学への講座設置申請手続きなどを行う予定です。ついては企業の皆様に本講座設置・運営の為の寄附をお願いしたいと存じます。ご質問、ご関心等ございましたら、以下DIの担当までご連絡頂戴できますと幸いです。
設置予定講座の規模、体制など
設立時期 2024年度初頭
金額 年間5000万円 (人件費・事務経費・研究費)
期間 5年間(2028年度まで)
体制 特定准教授(講座主任)1名、特定助教1名、研究員(教授相当)1名、事務職員1名
研究活動内容例
1. PFSや社会的インパクト投資(Social Impact Bond:SIB)に基づく個別のサービスの効果評価の研究。
2. コレクティブ・インパクトの概念に即した新しい保健・医療・介護・福祉サービスの推進に関する研究。例えば健康管理を推進するアプリを用いたプログラム、事業所における健康経営プログラム、医療機関における社会的処方等の活動、地域包括ケアや地域共生社会推進に関する自治体のシステム等。これらのプログラム開発・効果評価・効果的な運用のためのツールの開発等。PFSやSIBを活用に関連する政策の研究。
担当連絡先 吉田泰治
株式会社ドリームインキュベータお問い合わせ窓口あるいは京都大学社会疫学分野のお問い合わせフォームからご連絡ください。
配布用資料:京都大学大学院医学研究科寄付講座「保健・医療・介護・福祉分野における社会的インパクト評価研究講座」設置検討について
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