出版:「実践グローバルヘルス -現場における実践力向上をめざして-」(教授 近藤)

近藤が共同執筆をした「実践グローバルヘルス-現場における実践力向上をめざして-」が出版されました。本書は「国際保健医療学 第3版」の改訂版を改題したものです。出版日 2022年4月10日

近藤は、第2章「グローバル保険政策と健康の決定要因 1.健康の社会的決定要因と健康格差」を執筆しました。

株式会社杏林書院 実践グローバルヘルス -現場における実践力向上をめざして-

出版:「認知症plus地域共生社会」(教授 近藤)

教授の近藤が編集、一部執筆をした「認知症plus地域共生社会」が日本看護協会出版会より出版されました。出版日 2022年3月25日

「認知症plusWEB」より

認知症施策推進におけるキーワードの一つ「地域共生社会」。制度・分野ごとの「縦割り」や、支え手・受け手の関係を超えてつながり、暮らしと生きがい、地域をともに創る社会を意味するが、その実現のために、私たちは具体的に何を目指し、何をすればよいのか。医療・介護・福祉等の専門職や当事者・家族など、多様な主体による取り組み事例を紹介しながら、〈概念〉と〈実践〉の両面から解説する。

近藤は、第1章『認知症の共生社会づくり-ケアは、点から面、個から地域・社会へ-』等を執筆しました。

株式会社日本看護協会出版会「認知症plus地域共生社会」


B5判 184ページ 税込2,860円

論文出版:ヘルスプロモーション施策における社会環境整備の視点:タイ・スウェーデン・イングランド・アメリカ・日本のナラティブレビュー

大学院生の西尾麻里沙が日本公衆衛生雑誌雑誌から論文を出版しました。

西尾 麻里沙, 長谷田 真帆, 金森 万里子, 荒川 裕貴, 近藤 尚己.(2022).ヘルスプロモーション施策における社会環境整備の視点:タイ・スウェーデン・イングランド・アメリカ・日本のナラティブレビュー.日本公衆衛生雑誌,21-105.

https://doi.org/10.11236/jph.21-105

プレスリリースはこちら

出版:「Transforming Food Environments」(教授 近藤)

「Transforming Food Environments」
Chapter 16 ‘Choice Architecture and Nudging for Better Food Choice’

私たちは、果物や野菜をもっと食べるよう促されるような食環境よりも、高脂肪や高糖分の食品の摂取を促すような食環境にいつも身を置いています。しかし、メディアからの注目が高まるにつれ、私たちが日々行っている食に関する多くの決断を改善するための代替アプローチに人々の関心が集まっています。「Transforming Food Environments(食環境の変革)」は、食環境を改善した取り組みに関するいくつかの分野からのエビデンスに注目し、公平かつ持続可能な方法で成功を収めることの重要性を論じています。

本書では、多様な食環境に関する情報について、読者が介入策や食に関する政策の設計を意識できるような方法を紹介しています。学校、職場、コミュニティセンターにおける食環境やファーストフード店、フードマーケティングなどを取り上げています。また、より良い食品の選択と、より健康的な食品の購入を促進するための方法を提示しています。可用性や価格の変更、ナッジの手法、および食品表示の利用など、医療専門家によって使用される説得のための戦略を探索します。

教授の近藤が上記を執筆致しました。
Transforming Food Environments

 

 

出版:「複眼で見る医療経済とイノベーション」(助教 佐藤)

助教の佐藤豪竜が一部執筆を担当した『複眼で見る医療経済とイノベーション』が千倉書房より2022年2月10日に出版されます。
佐藤は第3章「米国から見た医療経済」を担当し、近年の米国の医療保険制度改革から日本への示唆について論考しています。

編著者は医師であり、経済学博士でもある真野俊樹教授(中央大学大学院戦略経営研究科)。単なる医療経済学の本ではなく実践に寄せている点が特徴となっております。

株式会社千倉書房 複眼で見る医療経済とイノベーション
152ページ、定価2,420円(税込み)

 

プレスリリース:新型コロナワクチンへの示唆 高齢者のワクチン接種 カギはかかりつけ医(佐藤)

2021年2月に助教の佐藤 豪竜がプレスリリースを発表しました。
PDFはこちらです。

なお新型コロナウイルスについてはまず厚生労働省や首相官邸のウェブサイトなど公的機関で発表されている最新情報を参照することをおすすめします。

概要

65歳以上の高齢者に対する肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチンが定期接種化されましたが、その接種率は必ずしも高くありません。接種率を向上させるヒントを得るため、かかりつけ医の有無や医師・患者間コミュニケーションの質との関連を調べました。

調査は、2016年に要介護認定を受けていない65歳以上の22,253名を対象に行われました。分析の結果、かかりつけ医がいる高齢者は、いない人に比べて肺炎球菌ワクチンやインフルエンザワクチンの接種率が約2倍高いことが明らかになりました。このほか、医師が患者の話を聞く姿勢や、患者がわからないことを医師に質問できること、治療方針を医師と患者が相談して決めるスタイルも、肺炎球菌ワクチンの接種率の上昇と関連していました。

高齢者のワクチン接種は、かかりつけ医の存在や医師との良質なコミュニケーションが関連しており、今後始まる新型コロナウイルスワクチンの高齢者の優先接種においても、接種率の向上のために今回の知見が役立てられることが期待されます。

論文

Sato K, Kondo N, Murata C, Shobugawa Y, Saito K, Kondo K. Association of pneumococcal and influenza vaccination with patient-physician communication in older adults: A nationwide cross-sectional study from the JAGES 2016. J Epidemiol. 2021 Feb 6. doi: 10.2188/jea.JE20200505. Epub ahead of print. PMID: 33551389.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33551389/

論文の解説:乳児死亡率の職業間格差が拡大傾向(金森)

特別研究学生の金森万里子が出版した論文について、ウェブサイトで紹介しています。
ウェブサイトはこちらです

論文

Mariko Kanamori, Naoki Kondo, Yasuhide Nakamura. Infant mortality rates for farming and unemployed households in the Japanese prefectures: An ecological time trend analysis, 1999-2017. Journal of Epidemiology. February 2020. https://doi.org/10.2188/jea.JE20190090

プレスリリース:運動は認知症リスクを少なくとも4年間抑える(佐藤)

助教の佐藤豪竜がプレスリリースを発表しました。
PDFはこちらです

概要

認知症予防のために運動が推奨されていますが、実は運動が認知症リスクを抑えるかどうかは、これまではっきりと分かっていませんでした。

認知症の前段階では身体活動が低下するため、運動と認知症の間の相関と因果の違いを区別することが難しいためです。

この研究では、19の自治体に住む約7万3千人の高齢者を対象とした約6年間の追跡調査のデーを用い、今年度ノーベル経済学賞を受賞したアングリスト氏らが確立した操作変数法という手法を用いて、運動が認知症リスクを少なくとも4年間抑えるという因果関係を明らかにしました。

具体的には、週に1回の運動をする高齢者の認知症リスクは、1年後は0.53、4年後は0.69で、運動をしない場合よりも認知症リスクが下がることが示されました。

論文

Sato K, Kondo N, Hanazato M, Tsuji T, Kondo K. Potential causal effect of physical activity on reducing the risk of dementia: a 6-year cohort study from the Japan Gerontological Evaluation Study. Int J Behav Nutr Phys Act. 2021 Oct 29;18(1):140. doi: 10.1186/s12966-021-01212-w. PMID: 34715877; PMCID: PMC8555243.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34715877/

プレスリリース:地域活動が盛んなまちに住むと野菜・果物の摂取が増加(西尾)

大学院生の西尾麻里沙がプレスリリースを発表しました。
PDFはこちらです。

概要

通いの場や趣味の会など、様々な住民の活動を後押しすることで高齢者の健康を支援する動きが広がっています。活動が豊かなまちに住むと、栄養摂取や身体活動など、健康行動が改善する可能性を示すデータもあります。しかし、そのようなまちに住むと実際に活動への参加が増えることで、健康行動が改善するのかは検証されたことがありませんでした。また、孤立や貧困といった生活上の困難があると、日々の食へ配慮するゆとりがなくなり、栄養摂取のバランスが偏りがちになりますが、そのような人々への効果も知られていません。

本研究では、65歳以上の約25,000名を対象に、3年ごとに3回繰り返して調査した9年間の追跡研究のデータを分析した結果、初回調査時に地域活動が盛んな地域に住んでいた人は、その後3年の間に自分自身も地域活動へ参加するようになる傾向があり、そのような人はさらにその後の3年間で野菜・果物摂取頻度が高くなる、という時間を追った関係性が確認されました。加えて、この効果は一人暮らしの人の方でより強いことがわかりました。特に一人暮らしの男性は、自分自身が地域活動に参加することで、野菜・果物を摂取する人が13.5%増加するという結果が得られました。反対に、活動が盛んな地域にいるのに地域活動に参加しない一人暮らしの男性は、むしろ果物・野菜摂取頻度低くなることも示されました。これらの結果から、地域活動の活発さが栄養摂取行動に与える効果のメカニズムの一つに、実際に地域活動に参加するか否かが関係していることが示唆されました。

一人暮らしの人には、そのような地域づくりが特に効果的である可能性がある一方、独居男性に関しては、自身は参加しない人では望ましくない効果も示唆されることから、地域の活動を促すような支援の際には、恩恵が届きにくい人への配慮が必要と考えられます。

論文

Nishio M, Takagi D, Shinozaki T, Kondo N. Community social networks, individual social participation and dietary behavior among older Japanese adults: Examining mediation using nonlinear structural equation models for three-wave longitudinal data. Prev Med. 2021 Aug;149:106613. doi: 10.1016/j.ypmed.2021.106613. Epub 2021 May 11. Erratum in: Prev Med. 2021 Dec;153:106750. PMID: 33989675.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33989675/

プレスリリース:都市部に比べて農村部では1.2倍うつが多い ただしまちの中心部まで時間のかかるところに 住む人では1割うつが少ない(金森)

特別研究学生の金森万里子がプレスリリースを発表しました。
PDFはこちらです
金森万里子のウェブサイトはこちらです

概要

都市と農村のどちらでうつが多いのか?」世界的にも研究結果は異なっており、一貫していません。私たちは農村度を評価する地域単位に着目して、高齢者のうつと農村度の関連をみました。

その結果、農村部と都市部の市町村を比較した場合、農村部の市町村にお住まいの方では、男女ともにうつが1.2倍多いことがわかりました。農村部では趣味やスポーツ、ボランティアなどに参加していないことがうつの多いことと関係していました。一方、市町村でなく校区でみた時には、まちの中心部と比べると、中心部まで時間のかかる校区にお住まいの男性では1割うつが少ない傾向にありました。

非市街地や中山間地域では、人々に対する信頼感や愛着、困ったときの助け合いがうつ予防に役立っている可能性が示唆されました。うつの多さは農村度を評価する地域単位によって異なっており、農村部の市町村では市民参加しやすい環境づくりが大切であることが示唆されました。

論文

Kanamori M, Hanazato M, Takagi D, Kondo K, Ojima T, Amemiya A, Kondo N. Differences in depressive symptoms by rurality in Japan: a cross-sectional multilevel study using different aggregation units of municipalities and neighborhoods (JAGES). Int J Health Geogr. 2021 Sep 26;20(1):42. doi: 10.1186/s12942-021-00296-8. PMID: 34565381; PMCID: PMC8474726.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34565381/