受賞:若手研究優秀賞 第14回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会

2023年5月12日から14日に愛知県で開催された第14回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会において、口頭発表「日本の高齢者における、多疾患併存と死亡前の3年間の要介護度トラジェクトリパターンの関連」(演者 加藤大祐、共同演者 イチロー・カワチ、齋藤順子、近藤尚己)が若手研究優秀賞を受賞しました。
この研究は、同時に複数疾患に罹患すること(多疾患併存)と、要介護度の経時的変化の類型(トラジェクトリパターン)の関連を調べたものです。多疾患併存は、より早期に、要介護度がより重度化するという、望ましくないトラジェクトリパターンのリスクになることを示しました。

日本プライマリ・ケア連合学会ホームページ「若手研究優秀賞受賞者」はこちらです。

ニュース:孤独・孤立対策推進法案が成立しました

5月31日、参議院本会議において、孤独・孤立対策推進法案が可決されました。
※参議院本会議の様子はこちら 11分50秒ぐらいから孤独・孤立対策推進法案の採決です。

また、5月30日は参議院内閣委員会において討論が行われておりました。
※5月30日の参議院内閣委員会の様子はこちら 質疑、反対討論、採決、附帯決議がありました。

教授の近藤は令和3年度より内閣府「孤独・孤立対策の重点計画に関する有識者会議」の委員として本法案のもととなる計画策定に関わってきました。
内閣府孤独・孤立対策 https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kodoku_koritsu_taisaku/index.html

「社会的孤立は重要な健康の社会的決定要因であり、健康格差の少ない社会づくりに向けては、対策が不可欠です。国を挙げた省庁横断の取り組み、国民や産官学等多様な担い手が連携して進める共同の取り組みが、法的根拠を持って推進されることになります。多くの成果が生まれることを期待しています。」(近藤尚己)

ニュース:健康日本21(第3次)が告示されました(5月31日)

近藤尚己が国の審議会委員としてかかわった「21 世紀における国民健康づくり運動(健康日本 21)」の第3次計画の基本方針が2023年5月31日に厚生労働大臣から告示されました。

これまで多くの仲間とともに実証研究をすすめて主張してきた「社会環境整備」「自然と健康になれる環境づくり」の重要性が強調されています。

例えば4ページ目:「健康な食環境や身体活動・運動を促す環境をはじめとする自然に健康になれる環境づくりの取組を実施し、健康に関心の薄い者を含む幅広い対象に向けた健康づくりを推進する。 」とされています。

ライフコースアプローチが明記されたこともこれまでになかった特徴です。
5ページ:「ライフコースアプローチ(胎児期から高齢期に至るまでの人の生涯を経時的に捉えた健康づくりをいう。以下同じ。)について、健康づくりに関連する計画等とも連携しつつ、取組を進める。 」

ニュース:Welcome! バレンシア大学(スペイン)の教授2名が近藤研究室に参加

バレンシア大学(スペイン)教授のAmparo Oliver氏とJose Tomas氏が招へい外国人学者として近藤研究室に参加し、研究活動を開始しました。

Amparo Oliver氏の近藤研での研究テーマは「高齢者の生物・心理・社会面を踏まえた包括的な特性とウェルビーイングの関連」、Jose Tomas氏の研究テーマは「健康な加齢を予測する統計的モデリング」です。約1ヶ月滞在し、研究を進め、共同研究は別途来日予定の同大学大学院生へと引き継ぎます。

左より、JoseTomas氏 AmparOliver氏、近藤

左より、Jose Tomas氏、Amparo Oliver氏、近藤

 

ニュース:2023年G7グローバルヘルス・タスクフォースがG7広島サミットおよびG7財務大臣会合、G7保健大臣会合にむけた提言を日本政府に提出(教授 近藤)

4月28日、2023年G7グローバルヘルス・タスクフォースの提言「より強靭な保健医療体制のためのグローバルな連帯の促進:2023年G7への提言」が日本政府に提出されました。同提言は、G7広島サミットおよびG7財務大臣会合、G7保健大臣会合の開催にあたりG7に期待されるグローバルヘルス分野のアジェンダや推進策を挙げています。

教授の近藤は2023年G7グローバルヘルス・タスクフォースの委員を務めており、同提言に学術的な立場からかかわって来ました。
「2023年G7グローバルヘルス・タスクフォース 委員に就任」(2022年9月8日掲載)

日本国際交流センター(同タスクフォース事務局)のホームページはこちらです。

受賞:第12回アジア救急医学会 EMS(Emergency medical system)  RESEARCH PAPER 1st RUNNER-UP (助教 上野)

2023年4月28日から4月30日にフィリピンで開催された第12回アジア救急医学会総会で、助教の上野恵子の口演発表がファイナリストに選ばれ、EMS(Emergency medical system)  RESEARCH PAPER 1st RUNNER-UP を受賞しました。

演題名:Identifying the features of subgroups in adult ambulance users with non-urgent medical conditions in Japan: A segmentation approach

【Background】In Japan, approximately 60% of adult ambulance users are assessed as having a minor injury or disease by a physician at the emergency department (ED), and thus, not requiring hospitalization. They are a diverse group that utilizes a large proportion of emergency care resources. Segmentation, which divides a population into subgroups (segments) with similar characteristics, is a useful approach for identifying and providing intervention strategies tailored to the needs of each segment.
【Objectives】 Our study aimed to define the features of different subgroups of adult ambulance users with non-urgent medical conditions through the interpretation of quantitatively derived segments.
【Methods】The study was a population-based observational study using the ambulance transportation records database and ambulance request call records database from Higashihiroshima City, Japan, between January 1, 2016, to December 31, 2020. The participants were ambulance users, aged 18 to 64 years,who were assessed as having a minor injury or disease by a physician at the ED during the study period. A soft clustering method was performed to segment the participants based on 13 variables including their characteristics (age and sex), diagnosis at the ED, the location of the ambulance call,date and time of the ambulance call, emergency status as judged by EMS (Emergency Medical Service), and the accident category. Ethical approval was granted by the Ethics Committee of the Graduate School and Faculty of Medicine of Kyoto University (Approval No: R3745).【Results and Discussion】This analysis included 5,982 adult ambulance users (mean age, 39.3 years [standard deviation, SD:14.5], 44.2% women). Six segments were obtained: (1) “Users with neurological diseases or other injuries late at night on weekdays;” (2) “Users injured or involved in fire accidents, with increased on-scene time and multiple hospital inquiry;” (3) “Users transferred between hospitals;” (4) “Users with acute illnesses and transported from home;” (5) “Users involved in motor vehicle accidents”, and (6)“Users transferred to a hospital outside of the area during day time on weekdays.”
【Conclusion and Recommendations】The findings suggest that adult ambulance users with non-urgent medical conditions can be categorized into distinct segments using data from population-based ambulance records. Further research is needed to address the user needs of each segment and provide tailored interventions to meet these needs.

ニュース:予約受付開始 出版「実践 SDH診療 できることから始める健康の社会的決定要因への取り組み」(教授 近藤、講師 長谷田、研究員 西岡)

教授の近藤が編著者、講師の長谷田と本学研究員で大阪医科薬科大学講師の西岡大輔氏らが著者としてかかわった書籍「実践 SDH診療 できることから始める健康の社会的決定要因への取り組み」(中外医学社)の予約が開始されました。

中外医学社のホームページより引用

SDHってなに? 臨床にどう活かす? エキスパートが本気出して考えてみました!
目の前の患者の背景にあるSDH(健康の社会的決定要因)に気づく重要性が叫ばれています.SDHを日常臨床に取り入れることは難題ですが,個別アプローチ・地域アプローチ,社会的処方,社会的バイタルサインなどを通して,日々のモヤモヤに対処できる切り口が見つかるはずです.ジェネラリストとパブリックヘルスの研究者が力を集結させて作り上げた本書から,多様な生きづらさを抱える患者について考えるヒントをぜひ探し出してください.

近藤は第1章 SDH の考え方とアプローチの技法「1.SDHへのアプローチの考え方」と「4.臨床でのSDH診療の実践」を、長谷田は「2.個別アプローチと地域アプローチ」を、西岡氏は第3章 実践事例から考えるSDHへの対応「1.医療機関でできる生活困窮者の支援」「3.診療現場でのSDHの評価と活用の実際」とコラム2点をそれぞれ執筆しました。

株式会社中外医学社「実践 SDH診療 できることから始める健康の社会的決定要因への取り組み」
Amazonからのご予約はこちらから。
電子書籍版のご予約はこちらから。

A5判 282頁  定価5,060円(本体4,600円 + 税)

ニュース:3月28日 WHO・カンボジア・ブルネイの専門家らと名張市へ視察研修に行きました

急激な高齢化を迎えているアジアや西太平洋地域の「ヘルシー・エイジング」達成に向けて、取り組みの先進地である三重県名張市を視察しました。世界保健機関(WHO)西太平洋事務局の専門家とカンボジア・ブルネイから研究者1名ずつが参加しました。また、社会健康医学系専攻(SPH)の教員・学生も参加しました。楽しくも大きな学びとなるツアーとなりました。

★SPHホームページ
三重県名張市へのフィールド・ビジット(ヘルシー・エイジングの模範的活動の視察)
(日本語)http://sph.med.kyoto-u.ac.jp/news/7081/
(英語)http://sph.med.kyoto-u.ac.jp/en/news/3325/

ニュース:3月27日開催 社会健康医学系専攻 国際レクチャー「未来のヘルシー・エイジング」「国際機関におけるキャリアパス」(教授 近藤)

3月27日に社会健康医学系専攻(SPH)において、WHO 西太平洋地域事務局 (WHO/WPRO) の オフィサーやブルネイ、カンボジアの研究者らを講師として迎えた国際レクチャー「未来のヘルシー・エイジング」と「国際機関におけるキャリアパス」が開催されました。
「未来のヘルシー・エイジング」ではWHO/WPRO が策定したヘルシー・エイジングの政策や自国の活動事例、「国際機関におけるキャリアパス」では国際機関職員としての経験がSPHの学生・職員に紹介されました。また各回とも、教授の近藤を交えてのディスカッションが行われ貴重な学びの機会となりました。

★SPHホームページ
「未来のヘルシー・エイジング」に関するレクチャー
(日本語)http://sph.med.kyoto-u.ac.jp/news/7043/
(英語)http://sph.med.kyoto-u.ac.jp/en/news/3289/

「国際機関におけるキャリアパス」に関するレクチャー
(日本語)http://sph.med.kyoto-u.ac.jp/news/7033/
(英語)http://sph.med.kyoto-u.ac.jp/en/news/3295

 

メディア掲載:日経メディカルに第87回日本循環器学会学術集会の記事が掲載されました『日循が「健康の社会的決定要因」を議論する意義』(教授 近藤)

教授の近藤が登壇した第87回日本循環器学会学術集会パネルディスカッション(3月10日開催)を紹介する記事が、日経メディカルに掲載されました。(公開日2023年4月13日)

会員限定公開:日経メディカル「日循が「健康の社会的決定要因」を議論する意義」

近藤は日本循環器学会「多様性に配慮した循環器診療ガイドライン」作成班の班員を務めています。
日本循環器学会「多様性に配慮した循環器診療ガイドライン」に関する記事はこちらです。