チームメンバーが人工知能学会受賞

研究協力をしている国立産業技術総合研究所の修士課程の井出さんが

人工知能学会全国大会学生奨励賞(JSAI Annual Conference Student Incentive Award)を受賞!

「ミクロアグリゲーションを用いた匿名化による確率的潜在空間意味解析」[1K2-2] 井手 絢絵

JAGESの追跡データをデータマイニングすることで、従来の統計分析ではわからなかった、生活様式と健康状態との関係に関する特性を持った集団の分類が可能となりました。集団の特性に合わせて健康づくりのための支援法を提案できるシステムづくりに向けた基礎的研究です。

個人情報を高度に匿名化して安全に活用できることも確認されました。

私が参画している日本老年学的評価研究:JAGES(代表:千葉大学近藤克則教授)のデータは、医療や介護のレセプトデータだけではわからない、生活や心理、経済状況の変化も捉えられるのが強みです。

井出さん、おめでとうございます🍾

増刷決定!「健康格差対策の進め方」

拙著「健康格差対策の進め方 効果をもたらす5つの視点」の増刷が決定しました。地域でのまちづくりや行政の現場で実践的に使える、と、政府関係者、自治体の保健師、医療従事者などから好評をいただいています。一般の方からは「健康に無関心な人への対策」の章が特に面白く日々の仕事にも役立てそう」といったコメントいただいています。ぜひお手に取ってみてください。

足立区が厚労省「健康寿命をのばそう!アワード」健康局長自治体部門優良賞を受賞!

健康格差対策の研究でご一緒している足立区が、第6回健康寿命のばそう!アワード」で受賞しました。
「生活習慣病予防の普及啓発や健康寿命の延伸に向けて、優れた取り組みを行っている企業・団体・自治体に送られる賞です。」

厚労省報道資料はこちら

足立区にいれば自然と野菜を食べる量がふえる、自然と野菜から食べるようになることを目指して、足立区では「ベジタベライフ」活動をしています。区内飲食店と協力して、野菜たっぷりメニューを販売してもらうなどの活動を4年にわたり続けてきました。健康格差の存在を公表し、戦略的に地域環境整備に取り組んできた画期的な事例です。

以下は足立区のプレスリリースからの引用です。
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目的:応募・受賞を通じて、区の糖尿病対策事業「あだちベジタベライフ ~そうだ、野菜を食べよう」を広く区内外に情報発信し、企業や団体との協働・協創や区民への普及啓発をより一層推進する。

応募内容
(1)取組・活動名
「住んでいるだけで自ずと健康に!『あだちベジタベライフ~そうだ、野菜を食べよう~』」
(2)内容
「足立区糖尿病対策アクションプラン」に基づく3施策(①野菜を食べやすい環境づくり、
②子ども・家庭の良い生活習慣の定着、③重症化予防対策)の取組や成果

医療機関で貧困を「治す」:「医師のためのベストアドバイス」刊行

顧問および運営委員をしている日本HPHネットワークが、冊子を刊行しました。

「医師のためのベストアドバイス」カナダ家庭医協会版 日本HPHネットワーク訳

医療機関には、社会的・経済的に困窮している多くの患者さんが来ます。社会的な課題にうまく対応することで、病気のケアもうまくいくことが多々あります。反対に、社会的課題を無視すると、うまくいかないことも多いです。

カナダ家庭医療協会では、そのような患者さんが受信したときにどう対応するか、そういった課題を社会の中で解決していく活動に医療従事者がどう関与すべきかについて解説した冊子を刊行しました。

このたびその日本語訳を、日本HPHネットワークメンバーが翻訳し、刊行しました。無料でダウンロードできます。

関係者の方、是非手に取ってみてください。

 

日本HPHネットワークは、病院で健康づくり(ヘルスプロモーション)を進める医療機関の国際ネットワークの日本支部です。HPHネットワークは世界保健機関によりコーディネートされています。

 

健康格差のモニタリングに関するシンポジウムを開催しました

先週鹿児島で行われた日本公衆衛生学会学術総会で、「公的統計を用いた健康格差指標のモニタリングと対策への活用に向けて」と題したシンポジウムの座長お呼び演者を務めました。

厚生労働省が進めている健康日本21(第2次)では、「健康格差の縮小」を目標の一つに掲げています。目標として「健康寿命の都道府県格差」を「縮小する」ということを目指しています。しかし、健康格差は都道府県内など、より小さな地域単位でも見られます。本シンポジウムでは、市町村や町丁字単位のデータや人口動態統計の個人単位の死亡データや所得等の社会背景のデータを使って、より細かい健康格差の状況把握を進めてきた研究チーム(平成27~28年度 厚生労働科学研究費 政策科学総合研究事業(統計情報総合研究)「健康格差対策に必要な公的統計のあり方に関する研究」班 研究代表者)の成果報告をして今後の課題や期待について話し合いました。

概要:

11月1日(水) 10:30~12:00 第2会場(鹿児島県文化センター2F 第3会議室)

公的統計を用いた健康格差指標のモニタリングと対策への活用に向けて

座長:伊藤 ゆり(大阪国際がんセンターがん対策センター)
近藤 尚己(東京大学)

演者:地域単位の社会経済指標を用いた健康格差指標のトレンド
伊藤 ゆり(大阪国際がんセンターがん対策センター)

職業・産業による健康格差の変遷:都道府県の経済動向との関連 
近藤 尚己(東京大学)

居住地レベルの健康格差の地図:がん登録・人口動態統計を用いて 
中谷 友樹(立命館大学文学部地理学教室)

諸外国の公衆衛生政策における健康格差指標 
松田 亮三(立命館大学産業社会学部/社会学研究科)

生活保護受給者への健康支援に関するシンポジウム開催

先週鹿児島で行われた日本公衆衛生学会学術総会にて、シンポジウムの座長および講演をしました。

厚労省による生活保護受給者への健康支援モデル事業が始まっています。健康を維持することは、誰にとっても大切なことです。しかし生活保護を受けるような厳しい状況におかれている中ではなかなか健康づくりに自主的に取り組みことはできません。

生活保護の方々へ対応する自治体の福祉事務所の皆さんにとっては、担当する方に心や体の健康問題に心配があるとき、中々相談することができない状況があります。モデル事業では、福祉事務所が保健師等を採用したり、保健センターと連携することで、健康面でケアを支える取り組みを進めています。

また、医療機関での受診に関するビッグデータを解析することで、生活保護を受けている方の受療行動が明らかになり、どのようなケアが必要とされているかがわかります。

シンポジウムでは、福祉事務所での面談時のデータも安全に、有効に活用できれば、もっと一人ひとりにより添える支援ができる、そうすることでケースワーカーにも時間のゆとりができ、一人ひとりにゆとりをもってかかわる時間ができるといったことが話されました。安全にデータ活用を進めること、寄り添い型の支援のノウハウを蓄積していくことの重要性が認識されました。

 

概要:

11月1日(水) 8:50~10:20 第2会場(鹿児島県文化センター2F 第3会議室)

生活保護受給者を対象とした健康格差対策の今後:データヘルス計画の活用等を見据えて

座長:近藤 尚己(東京大学)

演者:生活保護受給者に対する健康管理事業について
市川 佳世子(厚生労働省社会・援護局)

生活保護受給者の生活習慣病罹患および受診状況:医療扶助実態調査 
高橋 由光(京都大学大学院医学研究科健康情報学分野)

健康格差対策の考え方と注意点:生活保護受給者への対応を例に 
近藤 尚己(東京大学)

当市における健康管理支援の取組みについて 
藤田 恭子(上尾市役所健康福祉部生活支援課 副主幹)

監修「認知症の社会的処方箋」リリース

「認知症の社会的処方箋~認知症にやさしい社会づくりを通じた早期発見と早期診断の促進~」提言白書をリリース

根治療法がない認知症に、医療や社会はどう対応すべきか。現状と課題、そして提言をまとめた冊子が「認知症の社会的処方箋」が刊行されました。

関係各機関からのプレスリリースはこちらです:

日本医療政策機構  日本イーライリリー

「認知症の社会的処方箋 認知症にやさしい社会づくりを通じた早期発見と早期診断の促進」制作チーム(五十音順)

・著者:
日本医療政策機構
マッキャングローバルヘルス

・監修:
イチロー・カワチ(ハーバード公衆衛生大学院 教授)
K. Viswanath(ハーバード公衆衛生大学院 教授)
近藤尚己(東京大学 准教授)

 

 

 

 

 

特別セミナー「社会疫学とは何か」開催11月24日東京

特別セミナー「社会疫学とは何か」開催
11月24日 
東京医科歯科大学M&Dタワー鈴木章夫講堂
 
社会疫学<上・下>巻(大修館)発刊を記念してセミナーを開催します。
 
原著執筆監修者のイチロー・カワチハーバード大学教授および日本の社会疫学研究・健康格差研究の第一人者である近藤克則千葉大学教授をお招きして社会疫学の到達点と展望について語っていただきます。
チラシはこちら
 
また、監訳者一同(高尾・藤原・近藤尚己)による、各章の読みどころの解説もあります。
 
ふるってご参加ください。

日本肥満学会シンポジウムに登壇:肥満の健康格差の現状とその対策

10月7日に大阪で行われた第38回日本肥満学会学術総会シンポジウムに登壇し、「肥満の健康格差の現状とその対策」として、日本の肥満の社会経済格差の現状、そのメカニズム、有効な対策について話しました。

パネルディスカッションでは、中々健康行動をとれない、社会的なストレスを抱えている人人に対して、行動科学の知見を活用して、無意識に健康的な行動がとれるような環境整備や仕掛けづくりの重要性について議論しました。

概要

10月7日(土) 9:00-11:30 第2会場(5F 小ホール)
シンポジウム2
社会で取り組む肥満症対策~小児期から成人期まで:予防と介入(治療)の
実際と成果
座長:津下 一代(あいち健康の森健康科学総合センター)
菊池  透(埼玉医科大学 小児科)
S-2-1 乳幼児期からの肥満予防
獨協医科大学 小児科学
○小山さとみ
S-2-2 地域で取り組む小児生活習慣病対策
いとう小児科
○伊藤 卓夫
S-2-3 職域における肥満症対策
公益財団法人日本生命済生会付属日生病院 予防医学センター
○藤岡 滋典
S-2-4 肥満症への介入:特定保健指導~ IoTを活用した生活習慣改善支援
あいち健康の森健康科学総合センター
○村本あき子、野村 恵里、栄口由香里、中村  誉、加藤 綾子、松下まどか、
津下 一代
S-2-5 肥満の健康格差とその対策
東京大学大学院医学系研究科 保健社会行動学分野/健康教育・社会学分野
○近藤 尚己