書籍(共著)発刊:「復興期における視点:ソーシャルキャピタルと社会格差」in 大規模災害時医療(長純一・永井康徳編)」)

「復興期における視点:ソーシャルキャピタルと社会格差」

東日本大震災の被災地での地域の健康に関するデータ分析の活動を基にまとめた拙稿が下記書籍として発刊しました。

主に地域医療に携わる医師向けの専門書です。

大規模災害時医療 スーパー総合医

専門編集:長 純一(石巻市立病院開成仮診療所)/永井康徳(医療法人ゆうの森)
B5 上製
300頁 写真・図・表:200点
定価:10260円(本体9500円+税)
ISBN:978-4-521-73904-5
発売日:2015/07

http://www.nakayamashoten.co.jp/cgi-bin/menu.cgi?ISBN=978-4-521-73904-5

論文リリース:独居で孤食だと野菜摂取が減り、肥満にJAGES調査

英文医学誌Appetiteに、研究員の谷さんらとまとめた論文が掲載されました。

記事は無料で読めます。
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0195666315002925

高齢者約8万人のデータを分析し、独居か否か、誰と普段食事をしているかに加え、所得や健康状態、栄養摂取、体格などの関係を分析しました。

その結果、以下のことが主にわかりました。

・普段ほとんど一人で食事をする(孤食)の男女は食事内容がアンバランス
・孤食は肥満および痩せと関連
・男性では、孤食でさらに独居だと、これらの関連が強く
・女性では、誰かと一緒に暮らしているのにかかわらず孤食の状態が多いと、これらの関連が強い

食事は日に三度、生まれてからずーと繰り返す営みです。社会的な交流が健康の維持増進に重要なことが指摘されていますが、人と一緒にご飯を食べることが、健康の面でも重要かもしれません。

アプリ:ヘルスナッジ 【好評です!】健康記事を専門家が解説(無料)

監修しているアプリ「ヘルスナッジ」が好評です。健康情報を専門家のコメント付きで読めるキュレーションサイトです。巷にあふれている有用な情報・怪しげな情報を、医療・医学分野のデータを「見る目」が確かな専門家がチョイスして、コメント付きで紹介します。

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<ウェブサイト>「HEALTH NUDGE」 http://healthnudge.jp/

<アプリのダウンロード>
App Store  https://itunes.apple.com/jp/app/health-nudge-jian-kang-ji/id965600619?l=ja

Google Play  https://play.google.com/store/apps/details?id=vn.bsv.app.android.hlc

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論文出版:貧困・低学歴な男性ほど、肥満や痩せによる死亡リスクが高い:JAGES研究

肥満や痩せが、その後の健康や死亡リスクと関係することが知られています。太ったり、痩せたりしたときにどう行動するかによって、その後も健康でいられるかどうかが決まってきます。そして、そういった行動をとるかとらないかは、本人の社会経済的な状況に左右されます。たとえば、医療機関にしっかりかかるか否かが変わってきます。

高齢者1.5万人を追跡調査したJAGES研究のデータを用いて分析したところ、男性では、低所得や低学歴な人ほど、その時のその他の健康状態や年齢などの影響を除いても、肥満や痩せとその後の死亡との関係が強いことがわかりました。女性では明確な関連が見られませんでした。

低所得者ほど金銭的な理由で受診抑制をしていることは、以前JAGES研究から示されています(Murataら)。社会的に不利な人々にとって、現行の医療制度は敷居が高いのかもしれません。また、体重が不適正になった時にも適切に行動がとれるような支援やしくみが必要かもしれません。

Objective.Many studies have suggested a U-shaped curve for the association between body size andmortality risks, i.e., mortality risks increase in those who are both overweight and underweight. The strength of the associationsmay vary according to socioeconomic statuses (SES), as they determine levels of access to healthcare and psychosocial stresses. We investigated the modifying effects of SES on the relationship between body mass index (BMI) and mortality.

Method.We used prospective cohort data of participants in the Aichi Gerontological Evaluation Study in 2003(n=14,931),whowere 65 years or older and physically and cognitively independent at baseline, and residing in eightmunicipalities in Japan. Data on all-causesmortality andmortality from cancer, cardiovascular disease, and respiratory disease was obtained from municipal government registries.

Results. Proportional hazard regression analyses showed that, among men, the associations between
overweight (BMI ≥ 25 kg/m2) and highermortality risks by any causewere stronger among lower incomegroups. Even adjusting for multiple confounding factors, hazard ratios (95% confidence intervals) for mortality by all causes among low income group (household income b 1.5 million yen) were 1.96 (1.02–3.73) for overweight compared with BMIs between 23.0 and 24.9, whereas they were 0.94 (0.57–1.38) among men in high income group (income N 3 million yen). The modifying effects of income were not marked among women.

Conclusion. Household income, which may directly reflect accessibility to healthcare and psychosocial stress among older Japanese men, may be an important modifying factor in the health risks attributable to overweight.

論文リリース:Relative deprivation in income and mortality by leading causes among older Japanese men and women: AGES cohort study

本日、論文がリリースされました。オープンアクセスです。
J Epidemiol Community Health 2015;69:680-685 doi:10.1136/jech-2014-205103

Socioeconomic factors and health
Relative deprivation in income and mortality by leading causes among older Japanese men and women: AGES cohort study

Open Access

Naoki Kondo1, Masashige Saito2, Hiroyuki Hikichi3, Jun Aida4, Toshiyuki Ojima5, Katsunori Kondo2, 3, Ichiro Kawachi6

http://jech.bmj.com/content/69/7/680.full

書籍刊行「社会と健康: 健康格差解消に向けた統合科学的アプローチ」

書籍「社会と健康: 健康格差解消に向けた統合科学的アプローチ」を刊行しました。医学、公衆衛生学、看護学、福祉社会学、医療社会学、医療経済学など、いのちにかかわる分野の学習や研究を始める人に読んでほしい一冊です。東京大学大学院公共健康医学専攻(School of Public Health)の講義「社会と健康I」のテキストに指定されています。

http://www.amazon.co.jp/%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E3%81%A8%E5%81%A5%E5%BA%B7-%E5%81%A5%E5%BA%B7%E6%A0%BC%E5%B7%AE%E8%A7%A3%E6%B6%88%E3%81%AB%E5%90%91%E3%81%91%E3%81%9F%E7%B5%B1%E5%90%88%E7%A7%91%E5%AD%A6%E7%9A%84%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%81-%E5%B7%9D%E4%B8%8A-%E6%86%B2%E4%BA%BA/dp/4130604112

健康格差のメカニズムを探る教科書の決定版

社会的な健康格差は、人間社会の大きな課題である。本書は、この課題に対して社会科学と健康科学の研究者が協力し、さまざまな視点からの分析を試みる。日本のデータやエビデンスを紹介し、社会政策に応用していく際のポイントにもふれる、新たな健康格差研究のテキスト。
★イチロー・カワチ氏(ハーバード大学公衆衛生大学院・教授)推薦
トップクラスの学際研究チームによる5年間のプロジェクトの到達点であり、社会階層と健康に関する最新の知見を網羅した教科書の決定版。医学や公衆衛生学の研究に携わる者だけでなく。社会科学領域の研究者および学生、行政や自治体の政策担当者、そして日本社会における健康格差に関心を持つ全ての人に読んでいただきたい。

【主要目次】
まえがき
序章 社会階層と健康への学際的アプローチ(川上憲人・橋本英樹)
第I部 階層と健康
第1章 社会階層と健康(橋本英樹・盛山和夫)
第2章 職業と健康(堤 明純・神林博史)
第3章 ワーク・ライフ・バランスと労働(大石亜希子・島津明人)
第4章 幼少期の環境と健康(藤原武男・小塩隆士)
第5章 ジェンダーと健康(本庄かおり・神林博史)
第II部 健康格差のメカニズム
第6章 貧困・社会的排除・所得格差(近藤尚己・阿部 彩)
第7章 社会的ストレスと脳神経機能(大平英樹・笠井清登・西村幸香)
第8章 生活習慣の社会格差と健康(福田吉治・宮木幸一)
第9章 都市環境と健康(井上 茂・中谷友樹)
第III部 社会連帯の形成
第10章 社会保障制度(小林廉毅)
第11章 社会関係と健康(杉澤秀博・近藤尚己)
第12章 健康の公平性と倫理(浦川邦夫・児玉 聡)
第13章 国際的な政策対応や取り組み(狩野恵美・藤野善久)

「社会階層と健康 健康格差のエビデンスによる政策提言」が公開

昨年度まで6年間実施してきた、社会階層と健康に関する研究班の「政策提言ワーキンググループ」より、
「社会階層と健康 健康格差のエビデンスによる政策提言」が公開されました。

日本の健康格差の現状に関する豊富なデータを基に、今、社会は何をすべきか、同対策すべきかについて提言したものです。

図もきれいでわかりやすいです。広くご活用いただければとおもいます。

http://mental.m.u-tokyo.ac.jp/sdh/pdf/policyrecommendation.pdf

オモシロ真面目な健康情報サイト「ヘルスナッジ」リリース

おもしろ健康情報を専門家のコメント付きで読めるキュレーションサイト「ヘルスナッジ」がリリースされました。

巷にあふれている有用な情報・怪しげな情報を、医療・医学分野のデータを「見る目」が確かな専門家がチョイスして、コメント付きで紹介します。

アドバイザーとして、コンセプト作りからスタートアップメンバー選定まで、楽しくかかわらせていただいています。

まずはちょいとのぞいていただければと思います!アプリをダウンロードすると便利です。

コメント等いただけると嬉しいです。さらなるカイゼン・パワーアップをしていきたいです。

<ウェブサイト>「HEALTH NUDGE」 http://healthnudge.jp/

<アプリのダウンロード>
App Store  https://itunes.apple.com/jp/app/health-nudge-jian-kang-ji/id965600619?l=ja

Google Play  https://play.google.com/store/apps/details?id=vn.bsv.app.android.hlc

以下、サービス提供会社からのプレスリリースをコピペします。

—–
健康・医療の最新ニュース記事を専門家が解説!
健康キュレーションアプリ「HEALTH NUDGE」5月1日リリース
~より良い健康情報の選択をそっと後押し(ナッジ)~

株式会社リンクアンドコミュニケーション(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:渡辺 敏成、以下 リンクアンドコミュニケーション)は、健康・医療の最新ニュース記事を専門家が解説する健康キュレーションアプリ「HEALTH NUDGE(ヘルスナッジ)」を本日5月12日リリースいたしました。

「HEALTH NUDGE」
http://healthnudge.jp/

<ダウンロード>
App Store
https://itunes.apple.com/jp/app/health-nudge-jian-kang-ji/id965600619?l=ja

Google Play
https://play.google.com/store/apps/details?id=vn.bsv.app.android.hlc

■「HEALTH NUDGE」の概要
「HEALTH NUDGE」は、より良い健康情報の選択に向けて、そっと後押し(ナッジ)することを目的とした健康情報のキュレーションアプリです。「HEALTH NUDGE」が目指すのは、人々が正しく健康情報を選択し、みんなが健康になる世界です。

「HEALTH NUDGE」では、話題の健康・医療分野のニュース記事を専門家がピックアップし、「どう読み解いたらいいか?」を解説・コメントしていきます。
解説する専門家は、医師、看護師・保健師、薬剤師、管理栄養士などで、その多くが医学博士や公衆衛生学修士の学位を有する健康・医療情報のエキスパートです。

「HEALTH NUDGE」を通じて、健康情報をテーマにした一般の方と専門家の新しい情報交換の場/プラットフォームを提供していきたいと考えています。

対応OS  : iOS/Androidに対応
WEBサイト: http://healthnudge.jp/

※「Nudge(ナッジ)」とは、「そっと後押しする」「ヒジで軽く突く」という意味の英語です。行動経済学の分野では「科学的分析に基づき、人間に『正しい行動』をとらせようとする戦略」として知られています。

■「HEALTH NUDGE」の特長
(1)話題の健康・医療記事をまとめて閲覧可能
既存メディアが配信する健康・医療記事から、話題の記事を以下の9つのカテゴリーに分けてピックアップします。
「病気・医療」「健康・予防」「食事」「スポーツ」「睡眠」「メンタル」「リフレッシュ」「ダイエット」「出産・育児」
(2)全ての記事を、医師や看護師・保健師、薬剤師、管理栄養士などの専門家が解説
すべての記事を健康・医療の専門家が解説しているため、健康記事を正しく読み解くことができます。
解説する専門家は、医師、看護師・保健師、薬剤師、管理栄養士で、その多くが医学博士や公衆衛生学修士の学位を有する健康・医療情報のエキスパートです。
(3)記事に対するユーザーの意見を閲覧可能
記事に対する「いいね!」」やコメントなど、ユーザーの意見を閲覧することができるため、さらに理解を深めることができます。
(4)お気に入りのカテゴリーや専門家をフォロー可能
お気に入りの専門家やカテゴリーをフォローすることができるため、自分の興味・関心に合わせて効率的に情報を収集することができます。

■「HEALTH NUDGE」開発の背景
健康・医療への関心が高まるなか、ニュースメディアからブログに至るまで健康・医療の情報源が乱立・氾濫し、自分に適した正しい情報を選択することはとても難しくなってきています。
そしてそのような環境下では、健康・医療情報に関して公平な視点から解説し、情報の意味づけをする専門家の存在が特に必要であると考えます。
しかし、一般の方々が、健康・医療の専門家と関わる機会は意外に少なく、とくに予防・健康増進段階では皆無であるのが実情です。

そこで私たちは、専門家の方々が一般の方々に対して、よりよき健康情報の選択判断を促し、そっと健康を後押しするメディア/プラットフォームが必要であると考え、「HEALTH NUDGE」を開発いたしました。

<「HEALTH NUDGE」の運営体制>
「HEALTH NUDGE」は、健康、医療、医療経済、栄養、運動、睡眠などの専門家の協力のもとに運営しています。

・プロジェクトアドバイザー 近藤 尚己
(プロフィール)
山梨医科大学医学部医学科卒業。東京大学大学院 医学系研究科 公共健康医学専攻保健社会行動学分野 准教授。医師・医学博士。
山梨大学大学院医学工学総合研究部 社会医学講座、ハーバード大学 公衆衛生大学院 健康社会研究センター(Center for Society and Health)を経て現職。

・編集部
株式会社リンクアンドコミュニケーション

●株式会社リンクアンドコミュニケーション
食と健康のサポート企業として、管理栄養士の独自のネットワークをもとに、食事指導プログラムの提供、食と健康に関するインターネットメディアの開発・運営を行っています。

社名 : 株式会社リンクアンドコミュニケーション
代表者: 代表取締役社長 渡辺 敏成
所在地: 〒162-0825 東京都新宿区神楽坂3-2 神楽坂Kビル4F
URL  : http://www.linkncom.co.jp

≪本件に関するお問い合わせ先≫
株式会社リンクアンドコミュニケーション
担当  : 渡辺 知雅子
TEL   : 03-3267-1511
E-MAIL : info-health-nudge@linkncom.co.jp