論文出版:妊娠中・産後にオンライン健康医療相談が利用できることで産後うつリスクが3分の2に低下(博士課程 荒川)

荒川裕貴 東京大学博士課程学生(京都大学特別研究学生)と近藤尚己教授らの研究チームが、オンライン健康医療相談サービスによる産後うつ予防の研究論文を発表しました。

本研究は横浜市在住の妊婦を対象に実施され、スマートフォンを用いて子育て中の不安や疑問を産婦人科医・小児科医・助産師に相談できる、オンライン健康医療相談サービスを無料で利用できる環境にあった女性は、そうでない女性に比べて産後うつのリスクが約3分の2程度に抑えられたことが明らかになりました。この結果は、ヘルスケアへの物理的・心理的なアクセス障壁を取り除くことが、産前産後の女性のメンタルヘルスの向上に重要である可能性を示しています。

本研究成果は、BMCシリーズのフラグシップジャーナルである「BMC Medicine」に掲載されました。

プレスリリース:妊娠中・産後にオンライン健康医療相談が利用できることで産後うつリスクが3分の2に低下 | 京都大学 (kyoto-u.ac.jp)

書誌情報:Arakawa, Y, Haseda M, Inoue, K, et al. Effectiveness of mHealth consultation services for preventing postpartum depressive symptoms: a randomized clinical trial. BMC Medicine 21, 221(2023).

DOI: https://doi.org/10.1186/s12916-023-02918-3

ニュース:孤独・孤立対策推進法案が成立しました

5月31日、参議院本会議において、孤独・孤立対策推進法案が可決されました。
※参議院本会議の様子はこちら 11分50秒ぐらいから孤独・孤立対策推進法案の採決です。

また、5月30日は参議院内閣委員会において討論が行われておりました。
※5月30日の参議院内閣委員会の様子はこちら 質疑、反対討論、採決、附帯決議がありました。

教授の近藤は令和3年度より内閣府「孤独・孤立対策の重点計画に関する有識者会議」の委員として本法案のもととなる計画策定に関わってきました。
内閣府孤独・孤立対策 https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kodoku_koritsu_taisaku/index.html

「社会的孤立は重要な健康の社会的決定要因であり、健康格差の少ない社会づくりに向けては、対策が不可欠です。国を挙げた省庁横断の取り組み、国民や産官学等多様な担い手が連携して進める共同の取り組みが、法的根拠を持って推進されることになります。多くの成果が生まれることを期待しています。」(近藤尚己)