論文出版:運転中止で要介護認定のリスクが2倍

筑波大学医学医療系 市川政雄教授が中心となって執筆を進めた論文が
国際雑誌Journal of Epidemiologyに掲載されました

近年、高齢運転者対策がますます強化され、社会的にも高齢運転者に運転中止を促す機運が高まっています。しかし、運転中止による健康への影響についてはこれまで見過ごされてきました。

そこで本研究では、運転をやめることで要介護認定のリスクがどれくらい高くなるのか、運転をやめても公共交通機関や自転車を利用している場合はどうなのかを検証しました。

その結果、運転をやめた人は運転を続けている人と比べ、要介護認定のリスクが約2倍に上っていました。一方、運転をやめても公共交通機関や自転車を利用している人はそのリスクが約1.7倍に抑えられていました。

高齢運転者は運転をやめれば事故を起こさなくなりますが、活動的な生活が送れなくなることで、健康に悪影響が及ぶと考えられます。高齢運転者対策においては事故のリスクだけでなく、健康のリスクにも配慮が必要といえます。

Hirai H, Ichikawa M, Kondo N, Kondo K. The risk of functional limitations after driving cessation among older Japanese adults: the JAGES cohort study. Journal of Epidemiology(https://doi.org/10.2188/jea.JE20180260)

プレスリリースはこちらです