プレスリリース:都市部に比べて農村部では1.2倍うつが多い ただしまちの中心部まで時間のかかるところに 住む人では1割うつが少ない(金森)

特別研究学生の金森万里子がプレスリリースを発表しました。
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概要

都市と農村のどちらでうつが多いのか?」世界的にも研究結果は異なっており、一貫していません。私たちは農村度を評価する地域単位に着目して、高齢者のうつと農村度の関連をみました。

その結果、農村部と都市部の市町村を比較した場合、農村部の市町村にお住まいの方では、男女ともにうつが1.2倍多いことがわかりました。農村部では趣味やスポーツ、ボランティアなどに参加していないことがうつの多いことと関係していました。一方、市町村でなく校区でみた時には、まちの中心部と比べると、中心部まで時間のかかる校区にお住まいの男性では1割うつが少ない傾向にありました。

非市街地や中山間地域では、人々に対する信頼感や愛着、困ったときの助け合いがうつ予防に役立っている可能性が示唆されました。うつの多さは農村度を評価する地域単位によって異なっており、農村部の市町村では市民参加しやすい環境づくりが大切であることが示唆されました。

論文

Kanamori M, Hanazato M, Takagi D, Kondo K, Ojima T, Amemiya A, Kondo N. Differences in depressive symptoms by rurality in Japan: a cross-sectional multilevel study using different aggregation units of municipalities and neighborhoods (JAGES). Int J Health Geogr. 2021 Sep 26;20(1):42. doi: 10.1186/s12942-021-00296-8. PMID: 34565381; PMCID: PMC8474726.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34565381/