大谷紗惠子さん(京都大学医学部 / 卒業)、慶應義塾大学の佐藤豪竜先生(総合政策学部 専任講師、当研究室 非常勤講師)、京都大学の近藤尚己教授らの研究グループが、国際学術誌「SSM – Population Health」から論文を出版しました。
これまでの研究で、個人の読書習慣が死亡率や認知症リスクの低下と関連することがわかっています。しかし、読書の機会を提供し、住民が集う場所としての図書館と健康の関係性は明らかにされていません。このため、本研究は73,138名の高齢者を約7年間追跡し、各自治体の図書館の蔵書数と要介護リスクの関連を調べました。分析の結果、図書館の蔵書が人口当たり1冊増えると、その地域の高齢者の要介護リスクが4%減少することに相当する相関関係が確認されました。この結果は、図書館やその蔵書の充実といった文化財への公共投資が、健康長寿のまちづくりに有効である可能性を示唆するものであり、さらなる研究が期待されます。
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