論文出版:高齢者、女性、火災事故、自然災害、交通事故、加害、自傷、病院の問い合わせ回数が4回以上、コロナ禍時の軽症の救急搬送患者では、 救急隊が救急現場で30分以上の活動を要した(助教 上野恵子)

救急車が救急現場で長く活動時間を要することは、世界的にも救急医療体制上の大きな問題となっています。上野恵子助教は広島大学との共同研究で、広島県東広島市消防本部の救急搬送・救急要請データベース7年間のデータを利用し、軽症(医療機関を受診後帰宅可能)の救急搬送患者において、高齢者、女性、火災事故、自然災害、交通事故、加害、自傷、病院の問い合わせ回数が4回以上、コロナ禍時の患者では救急隊が救急現場で30分以上の活動を要したことを明らかにしました。地域の救急医療体制を改善するためには、救急隊員のパフォーマンス、連携組織(警察、消防)の存在、病院の患者受け入れ体制、救急病院と精神病院との連携など介入可能と考えられる要因に対してどのように対処するか再考する必要があります。

書籍情報:Ueno, K., Teramoto, C., Nishioka, D. et al. Factors associated with prolonged on-scene time in ambulance transportation among patients with minor diseases or injuries in Japan: a population-based observational study. BMC Emerg Med 24, 10 (2024).

リンク:https://doi.org/10.1186/s12873-023-00927-2