ニュース:「文化的処方」に関する東京藝術大学等との大規模共同研究開発事業スタート

昨年度より参加してきました東京藝術大学等との大規模共同研究開発事業(JST共創の場事業)が本格開発フェーズに採択されました。これまで当ラボの近藤尚己が研究開発協力者としてかかわってきましたが、2023年4月よりエビデンス構築部門(研究開発課題5)を統括することとなりました。
東京藝術大学を中核として、アート、福祉・医療、テクノロジー等の専門機関や企業、自治体を含む37機関が、社会課題解決のための知識や技術を持ち寄り、「文化的処方」を開発し、地域社会に実装することで、誰もが生涯を通じて社会参加でき、幸福で健康的な生活を送り続けることのできる社会の共創を目指しています。10年間の長期・大規模プロジェクトです。

同事業では、多様なデジタルメディアも応用しつつ、アートを活用した交流活動の推進によるまちづくりの取り組み「文化的処方」を進めます。詳しくは下記リンクをご覧ください。

以下、文化的処方について、プレスリリースより引用して説明します。

「文化的処方」とは
本拠点に独自の「文化的処方」は、「社会的処方」から着想を得ています。後者は、患者個人に薬を処方するのではなく、人と人のつながりや地域資源の活用によって健康やウェルビーイングを地域や社会ぐるみで高めようとする取組です。「文化的処方」は、文化芸術を活用する「社会的処方」の一種です。本拠点では、個々人が抱える諸課題や社会との関係性、地域の文化芸術資源や場所の特性などを踏まえ、アート活動と医療・福祉・テクノロジーを組み合わせます。文化的処方は、多様な状況にある人々どうしが緩やかにつながり、その人らしくいられる場所を得て、クリエイティブな体験が創り出され、楽しさと感動が生まれ、心が解放され、心地良いコミュニケーションが自然と発生していく手法・方法・システムです。
「文化的処方」の効果として、個人に対しては、活動する意欲や幸福感の増進および健康の維持・改善といったウェルビーイングの持続的効果が期待されます。また、地域社会やコミュニティに対しては、より寛容で包摂的な環境やシステムが生まれることが期待されます