【論文出版】妊娠中・産後早期にオンライン健康医療相談が利用できることで 産後12ヶ月の長期産後うつリスクが3分の2に低下(客員研究員 荒川裕貴)

横浜市立大学医学部公衆衛生学教室の荒川裕貴助教(京都大学客員研究員)、京都大学大学院医学研究科社会疫学教室の近藤尚己教授、健康増進・行動学分野の井上浩輔教授らの研究グループは、妊娠中から産後早期まで自身のスマートフォンを用いて不安や疑問を産婦人科医・小児科医・助産師に相談できる、オンライン健康医療相談サービスを無料で利用できる環境にあった女性は、そうでない女性に比べて産後12ヶ月時点でうつ症状を有するリスクが約3分の2程度であったことを明らかにしました。

この研究では、研究グループが以前に行った横浜市在住の妊婦734人を対象としたランダム化比較試験の参加者をフォローアップし、産後12ヶ月のうつ症状をアウトカムとして介入群と対照群のリスクを比較しました。回答者515名のうち、産後12ヶ月時点の産後うつ高リスク者の割合は、オンライン健康医療相談サービスを利用できるグループが14.2%(36人/253人)であり、利用できないグループの21.0%(55人/262人)に対して産後うつ症状を有するリスクが相対リスクで0.68(95%信頼区間: 0.46-0.99)であったことがわかりました。また、介入群は産後3ヶ月と12ヶ月の2時点でうつ症状が持続する者の割合が特に少なく、産後3ヶ月での孤独感の低下が産後12ヶ月までの介入効果の約20%を媒介することが明らかになりました。

本研究から、妊娠中から産後早期にオンライン健康医療相談サービスによるサポートを提供することで、周産期の女性の不安や孤独の解消を通じて、産後12ヶ月という長い期間に渡って持続的に産後うつリスクを減らすことができる可能性が示唆されました。

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