家族歴に合わせた予防メッセージの健康行動への影響:Family Healthware Impact Trial(ファミリー・ヘルスウェア・インパクト・トライアル)
Ruffin, M. T et al. 2011(USA)
Annals of Family Medicine
冠動脈性心疾患、脳卒中、糖尿病、大腸がん、乳がん、卵巣がんに対する自動家族歴評価とテーラードメッセージが、標準的な予防メッセージと比較して予防行動に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。
41のプライマリケア診療所を対象に、ファミリーヘルスウェアを使用したクラスター無作為化臨床試験。このツールは、家族性疾患のリスクを評価し、リスクに応じたメッセージを提供するものである。対照群には、ライフスタイルと年齢と性別に応じた健康メッセージが提供された。禁煙、果物と野菜の摂取、身体活動、アスピリン使用、血圧、コレステロールと血糖値が、介入前と介入後6ヵ月に評価された。
4,248人のうち、3,344人(78%)が研究を完了した。参加者は白人(91%)、女性(70%)、保険加入者(97%)で、平均年齢は50.6歳(範囲35-65歳)であった。介入参加者は、1日の果物・野菜の消費を1日5皿以下から5皿以上に増やし(OR=1.29;95%信頼区間[CI]、1.05-1.58)、身体活動を週5~6回、週30分以上に増やす(OR=1.47;95%CI、1.08-1.98)傾向が強かった。割合の差は3%と4%であった。介入参加者は、過去5年間にコレステロールの検査を受けていない状態から5年以内に検査する傾向が小さく(OR=0.34;95%CI、0.17-0.67)、その差異は15%であった。
6つの一般的な疾患の家族性リスクに合わせたメッセージは、自己申告による身体活動および果物や野菜の摂取を緩やかに増加させたが、コレステロールのスクリーニング検査を受ける可能性は減少させた。
各行動の目標未達成から達成までの推移を、未達成のまま推移した場合と比較した対照表(診療所の集積度と場所、ベースラインの肥満度、性別、ベースラインの喫煙状況(オッズ比:禁煙変数除く)、中程度/強い家族リスクの頻度、6疾患のリスク認知スコアで調整)